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実践 ICONIXプロセス : 居心地の良さ?

予備設計までは、業務の用語、ユーザの用語だけで分析・設計することに集中してきました。
詳細設計では、実装技術の用語、フレームワークの API、Java の API がたくさん登場します。

多くの技術者にとっては、ようやく居心地が良くなった気分かもしれません。

言葉の影響

予備設計まで慣れない形式的な言葉を使っていたが、ようやく気軽にいつもの言葉でしゃべれるようになった、という感じかもしれません。

使う言葉は、発想や価値感に大きく影響します。

実装の言葉でしゃべるのが居心地が良い、と感じているということは、設計・実装・テストも、実装の価値観で判断してしまうということです。

引き戻す

詳細設計レビューで重要なことは、実装の言葉が追加されても、中心は問題領域の言葉(ドメインモデル)と利用のシナリオ(ユースケースモデル)でなければいけません。

役に立つソフトウェアを作るには、問題領域の知識を増やし、利用者の使い方を熟知することが絶対に必要です。
詳細設計のレビュアーは、実装が分かる人間、つまり技術者しかできません。しかし、このレビュアーは、実装の世界に浸るのではなく、ユースケース駆動、ドメイン駆動の世界を貫くのが仕事です。

実装の言葉がでてくると、ついつい実装の価値観と判断基準にはまり込んでいってしまう開発メンバーを、問題領域の価値観・判断基準に引き戻さなければいけません。

自分ではできなくても

経験やスキルの問題もありますが「意識」の問題は非常に大きい。

まったく同じ技量・経験の技術者が二人いて、詳細設計の担当者とレビュアーに役割分担する。まちがいなく、詳細設計を担当した技術者は、実装の価値観にはまりこんで行きます。
ある意味、それは自然のことです。実装の言葉を駆使しなければいけないのですから。

だからこそ、レビュアーを担当するときには、意識的に徹底的に、実装の価値観ではなく、問題領域の価値観でチェックをし、判断をする。

そうすることが、役に立つ良いソフトウェアを開発する勘所だから。

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